寒くなってお風呂が気持ちの良い季節ですね。
お風呂は寒さで凝り固まった疲れを取ることができる、大切な習慣です。
冷たい脱衣所で服を脱いで、寒いからといって体も流さず浴槽に駆け込んでいる方!
その入浴のしかた、危ないです!
ヒートショックについて、最近よく耳にすると思います。
今日はお家でのヒートショックをどのように防げば良いか一緒にお話していきましょう。
・浴室などで起こりやすい『ヒートショック』とはなにか?
ヒートショックは温度の急な変化が体に与えるショックのことです。心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす危険があります。
ご存知の通り日本では浴室での事故例が多いです。
温かい部屋から寒い浴室に移動したとき、体は熱を保とうとして血管を収縮させるため血圧が上がります。
そして、お湯に浸かることで血管が拡張して血圧が下がるといった急激な血圧の変化が起こります。
このような血圧の急激な変化がヒートショックを引き起こすといわれており、心筋梗塞や脳卒中による意識喪失をまねく恐れがあります。
浴室で意識を失ってしまうと、転倒や溺れてしまうなどの大きな事故に繋がりかねません。
高齢の方にヒートショックのリスクが高い理由は、血圧を正常に保つ機能が低下しているためです。
また、高齢者は温度の変化に対する感覚が鈍くなっていることもあり、室内の温度差に気づかないままヒートショックを起こしている可能性もあります。
若年者でも、普段から血圧が高めの方や食後・飲酒後すぐに入浴する人などもヒートショックのリスクは高まります。
また、トイレでのヒートショック事例もあります。
換気の良い寒い部屋で冷たい便座に熱が奪われ、いきむことで血圧の上昇に繋がることがあるためです。
家族にヒートショックの高リスク者がいらっしゃる場合は、こまめに声掛けを行うなど注意をすることがよいでしょう。
・日本のお家とヒートショック
日本でのヒートショックによる年間死亡者数は1万7千人にものぼり、なんと世界でもダントツの被害者数となっています。
また、日本が45歳以上の溺死者数のワーストワンであることもヒートショックの被害者数と関連しています。
日本より寒い地域はたくさんあるのに、なぜ日本ではヒートショックがここまで多いのでしょうか?
そもそも日本のお家は夏の高温多湿な気候に対応するために、優れた換気性能をもっていることが多いです。とくに断熱性の低い浴室は寒くなりやすいですね。
アメリカでは全館空調(セントラル空調)が採用されているなど、他の先進国との空調システムや、そのもととなる省エネ基準の違いは無視できません。
近年は国内でも高断熱仕様の新築物件が増えつつありますが、今後、気候変動の影響なども考慮されて省エネ規格が更新される可能性もあるのではと考えています。
なにより今は、ヒートショックに怯えてお風呂やトイレが出来ないなんてことは避けたいです。
日本のお家で冬でも安全に快適に過ごす上手な方法について考えていきましょう。
ヒートショックを根本的に防ぐには、おうち内での温度差を小さくすることが大切です。
浴室ではシャワーを使ってお湯はりをすることでお湯を拡散させ浴室を温める方法や、浴槽にお湯が溜まったらフタを外して温気を広げるなど、お風呂の使い方を工夫することはもちろんのことです。
浴室暖房の取り付けもオススメです。
筆者のお家にも最近取り付けました!
底冷えする深夜のシャワーでもだいぶ楽になりました。
しかし、浴室が広く、窓が多かったり大きい場合は断熱性が低いのでお部屋が暖まりにくい場合があります。
消費電力・電気代についても考慮した上で適切な機種を選ぶことをおすすめします。
また、お家の断熱性能を高めることは根本的なヒートショックの対策として好ましいでしょう。
昔ながらの在来浴室(タイル張り)から保温性の高いユニットバスにリフォームすることも良いでしょうが、まずは窓の断熱にチャレンジしてみませんか?
内窓を取り付けて二重化にしたり、窓やサッシの交換(既存のアルミサッシから熱を通しにくい樹脂サッシに交換するなど)も浴室やトイレの断熱効果を上げてくれます。
浴室用カーテンの使用も、電力を消費することなく断熱効果を期待できるためおすすめです。
日本のヒートショック事故数が世界でも圧倒的であるのは驚きでしたね。
本格的に冷え込み、忘年会・新年会も多いシーズンですから飲酒によるヒートショックにも気をつけたいです。
ヒートショックについて正しい理解を得て、日本のお家で安全に過ごすために適切な対策を行いましょう。