みなさん、こんにちは。新年を迎え、春の新生活に向けてエアコンの取り付けをお考えの方が増えていると思います。
今日はそんなエアコンの電線についてお話しましょう。
みなさんの中にはもしかすると電線が原因でエアコン工事を断られたことがあるという方がいらっしゃるかもしれません。
たとえば、「お部屋のエアコンを交換したかったけれど隠蔽配管の電線が1.6mmだった場合」……
このようなケースにおいてなぜ断られるかというと近年、2.0mm線での施工を指定するメーカーが増えたためです。
では「エアコン工事で1.6mmの渡り線は使えないのか?」、
「既存の電線が1.6mmだとエアコンの交換をすることはできないのか?」
そんなお悩みを解決する方法があります。
基本的に、電線の選定は「許容電流」をもとに行われます。「許容電流」とは……電線に流すことができる最大の値のこと
許容電流は、環境や使い方(夏季の使用や直射日光の有無・屋内外等)による放熱性に影響されるので、布設条件を充分に確認した上でケーブルを選定します。
電流は、キャパシティとなる川を流れる水と同じように、電線(キャパシティ)という川が太くなるほど多くを流すことができます。
よって、安全のために現在では多くのメーカーが公式に2.0mm線での施工を指定していますが、「不具合のない正常な配線であること」、「正しい接続がされていること」などを条件に厳正な管理のもとで1.6mm線での施工を認めるメーカーもあります。
実際に、さまざまなメーカーのエアコン据付説明書を見てみましょう。
ーーまずは三菱重工のビーバーエアコンから。
「内外接続配線はVVFケーブル3心 Φ2.0mmを使用する。(故障・火災の原因)」と指定されています。
ーー続いてPanasonicの施工説明書です。
「※最大電流値が15A以下かつ電線長さが10m以下の場合は、3心 Φ1.6mmも使用できます。(最大電流値は、カタログまたは仕様書で確認)」
Panasonicでは最大電流値によっては1.6mmの電線を使用できるとされています。
ーー最後にDAIKINの指示を見てみましょう。
「運転電流(最大)が19Aを超える製品 : Φ2.0mm その他の製品 : Φ2.0mmまたはΦ1.6mm
連絡電線の選定は『電気設備に関する技術基準』および『内線規程』に従う。
線径は『内線規程』の、1編3章1340節(単線)を参照。」
という記載のように、メーカーによっては1.6mmの電線を使える機種があるということがお分かりいただけます。
適切な機種を選べば、1.6mmの渡り線を使って施工をすることができるんですね。
そしてあくまでもケーブルは、安全のため許容電流と環境や使い方をもとに、布設条件に適した選定を行いましょう。