Part1-「ベッドが濡れて眠れない!」高気密の6LDK戸建て住宅でエアコン水漏れ
今日も246号を上り方面へ走ります。
町田のステージアから都内の現場に出るには便利な道です。車の窓から、馴染みのある地名やビルが増えていく風景を見るのが好きなんです。
職人のみなさんはお気に入りの道はありますか?
246号を上って到着したのは世田谷の物件です。
半地下の地上階と2階にリビング、3階の寝室等を中心とした6LDKです!
リビングが2階にあると外からの振動や騒音が軽減されるので、落ち着いた家族の時間を過ごせますね。
静かな空間で一緒に映画を観たり作業をしたりなど楽しめそうです。
外観はモダンでスタイリッシュなデザイン、そして建物を引き立たせるPorscheのカイエンが光っています!
本日は水漏れのご相談をいただき、お伺いしました。
こちらの物件は数年前にステージアで全部屋のエアコン工事をさせていただきました。
家庭用4方向天カセ×3台・マルチルームエアコン×2台が本物件のエアコン設備となっております。
以前にもルームエアコンの水漏れのご相談をいただいたことがあり、逆流防止弁の『おとめちゃん』をドレン管の末端に取り付けしたことで解決しましたが今回はなんと別のお部屋のルームエアコンから水漏れ……。
3階の寝室、枕の真上から水が垂れてくる状況です……(泣)
お客さまはタオルやペットシートを敷いて応急処置を行っていましたが、快適に眠っていただくためにいち早く解決したいところです。
お客さまは「エアコンが傾いているのではないか」と心配されていたので、水平器を使って一緒に勾配を確かめてみました。
確かに写真でもエアコンが傾いているように見えますね。……
ですが、水平器は平行を指しています。屋根が微妙に傾斜になっていたのです。お客様にもご確認の上、安心していただけました。
4台のエアコンのドレンは3階から地上階まで塩ビ管で1箇所にまとめられています。
気密性の高い住宅では限られた空気の通り道がエアコンのドレンホースになることがあります。
気圧は高い方から低い方へ流れるので、部屋の気圧が外気より低い時に空気がドレンホースを逆流して排水と一緒に室内へ流れてしまうのです。
今回は塩ビ管へ繋がるルームエアコン側のドレンホースのルートを変えて、気圧の変化を図ります。
水道屋さんの血液ともいえる『塩ビのり』、実はエアコン屋さんも使うんです!
気圧が原因となるエアコンの不具合は、気圧差の激しい夏場に多くご相談をいただきます。
今回のような水漏れはもちろん、「ポコポコ」という異音が鳴るなど……。
この場合はお部屋の窓を開けていれば水漏れがしない、異音がしないというケースを多く見ます。窓を開けることで屋内外の気圧差が解消され、ドレンホース内での逆流が治まるということです。
しかしエアコンの運転効率が下がってしまうのにずっと窓を開けているわけにもいきませんよね。
エアコンの水漏れはいち早く原因を究明して正しく対処することが大切ですね。
本物件のドレン管は3階から地上にかけて5台のエアコンの排水が通る長い経路です。
今回の対処によって極めて微妙な気圧の環境が変化して、水漏れ症状が改善することを期待します。
ドレンの気圧トラブルは自然を相手とした複雑な闘いです。
今後は最終手段としてドレンルートの新設も視野にいれながらお客さまと一緒に長期的な計画を考えていきます。
通水テストを行ってスムーズに水が通ることを確認して今日の作業は終了です。
日入りもだいぶ早くなってきましたね。明日はどんな現場に会えるでしょうか?