南国沖縄の海辺のエアコンの悩みとは?-沖縄旅行でエアコン事情にびっくりPart2
ハイタイ!先日、筆者は沖縄へ旅行に行ってまいりました。
このシリーズでは沖縄のエアコンの特殊な事情をご紹介しています。前記事では沖縄のエアコンの大敵、◯◯◯についてお話しています。みなさんも旅行気分でお楽しみください!
前記事『沖縄のエアコンの大敵『ヤールー』沖縄旅行でエアコン事情にびっくり-Part1』はこちらから!
南のかなた、透き通った海の沖縄。厳しく照りつける日差し…
散策中にこんなものを見つけました。
室外機の保温材が劣化により破れて銅管がすっかり露わになってしまっています。これではなかなかお部屋は冷えません…。
ご覧のとおり、 沖縄の厳しい直射日光や台風・スコールなどの特異な気候は、機械であるエアコンにとって大敵です。
なんと、通常のエアコンの平均寿命が10年から15年程度であるのに対して、沖縄で使用するエアコンは5年ももたないことがあるようです…
エアコンの寿命を脅かす沖縄の気候。その中でもズバリ、故障の原因となるのが…
『塩害』です。
沖縄に限らず、海沿いにお住いの方には馴染みのある言葉でしょう。とくに、バイクや車をお持ちの方や、作物を育てている方にとっては…。
潮風が室外機の金属を腐食させてしまうのです。
塩害は、屋外に置かれた乗り物や建物等の劣化を進めたり、風に含まれた塩が作物に付着し悪影響を及ぼすこともあります。
沖縄の海辺を歩いていると、なんと耐塩害処理が施された室外機を見つけることができます。
見慣れないシルバー色の室外機?と思ったら、錆止め塗装がされているのですね。
メーカーによる機器の塩害防止措置は室外機の据付場所によって2種類に分けられています。
耐塩害仕様…潮風にはかからないが、その雰囲気にあるような場所に設置する仕様
耐重塩害仕様…潮風の影響を受ける場所に設置する仕様
さらに、室外機が雨によって洗われるか・雨があまりかからないか、室外機が建物の陰になるか・海岸に面しているかなどの詳細な規定によって適切な塩害仕様の機器が選定されます。
こちらは灯台の室外機。アップして見てみましょう。
やはり塩害防止措置がされています!灯台はまさに海の直近なので重耐塩害仕様が適用されます。こちらも錆止めで塗装された無骨なシルバーがカッコいい…。
チェーンで固定されているのはきっと強風対策でしょう。このような固定が施されている室外機もさまざまな場所で見かけました。
こちらはステーで外壁にピッタリ密着させています。脚も重いコンクリート製で、強風でも倒れることはありません。
ロープで地面の金具に固定しています。やはりこれも脚は重厚なコンクリートブロック。
駐在所の室外機もよく見ると2本のロープでしっかりくくられています。
沖縄の台風は体験したことがありませんが、南の海で生まれたばかりの強い台風が島を襲うわけです。徹底的に固定された室外機を見て、その恐ろしさが想像できます…。
やもり対策や塩害対策・強風対策…。沖縄のエアコン業者さんはきっと、私たち内地の業者より一仕事も二仕事もやることが多いのではないでしょうか…?
沖縄では電機屋さんで『やもり対策装備』『塩害対策装備』を備えた沖縄特別仕様のエアコンが販売されています。
また、沖縄では暖房を使う機会が1年のうちで特に冷え込む数日のみと非常に少ないので、冷房と暖房を切り替える基盤部分の故障が多いようです。
暖房をあまり使わないお家ではもともと冷房専用エアコンを取り付けていることも。
現在、冷房専用エアコンは国産メーカーではコロナが唯一販売を行っています。
CORONA HP [リララ冷房専用シリーズ]
これもまた沖縄の電機屋さんではおなじみのようです。本州ではなかなか見かけません!?
沖縄のエアコンは、特殊な気候に適したさまざまな工夫がされていることが分かりましたね!
室外機を眺めながら散策するのも楽しかったです。そしてなぜほとんどの室外機がアルミ色をしているのかを分かった瞬間も大変面白かったです。
読者のみなさんにもちょっとした旅行気分を味わっていただけていたら嬉しいです。
次回の工事日記もお楽しみに!
↓ビーチで見つけた仲良しな島猫