沖縄のエアコンの大敵『ヤールー』沖縄旅行でエアコン事情にびっくり-Part1
ハイタイ!先日、筆者は沖縄へ旅行に行ってまいりました。
真っ赤なハイビスカス、南国気分です。
沖縄はなんと3月にして焼けるような暑さ。たった数歩歩いて冷房の効いた屋内に避難します。
東京では桜は未開花(3月現在)ですが既にエアコンの恩恵を享受している私…
ペットボトルのぬるくなった水を飲み干して思いました。
『南国沖縄と本州のエアコンに違いはあるのか?』
沖縄は日本で唯一、高温・多湿である亜熱帯気候に分類されます。小学校で習いましたね!
沖縄らしい赤瓦の古民家は離島の集落などにぽつぽつと残っています。台風の被害を防ぐ珊瑚などの石垣、強い日差しを防ぐ大きなひさしはまさに先人の知恵です。
木造建築である古民家は戦争によってその数多くが失われてしまいました。
戦後、台風やシロアリの被害を防ぐ方法として米軍によってコンクリート建築の技術が持ち込まれ、現代では沖縄の約9割の建物がコンクリート造りを採用しています。(主に本島)
今日、沖縄県では伝統ある古民家を守るためにさまざまな団体によって保存活動やリノベーションなどによる再生活動が積極的に行われています。
現代化した沖縄の建物、本州と同じく、多くの建物がエアコン設備を利用しています。
これは筆者が泊まった宿のエアコンですが、実はこちらの宿、離島のジャングルのど真ん中にあります。
夜、寝室の明かりを消すと「ホーホー」「クルル、クルル」「ギャーギャー」と、部屋の外は生き物達のパラダイス。まるで人間がいてはいけないような不気味さを感じました。
怯えながら眠りにつこうとした瞬間、「チーチー」と、甲高い音が聞こえました。音の正体は私のすぐそばのようです。
沖縄には巨大なゴキブリや、人のように大きいコウモリや指すら喰いちぎるヤシガニなどがいるようです。それともキジムナー? どれにしても、どうか姿を現さないで…
この音を発生させているものが一体何なのか、得体がわからないという不安が私たちの胸を一杯にしました。
私は恐ろしさのあまり「今の声、部屋の外からだよね?」と友人に問いかけると「外から聞こえたから大丈夫だよ」となだめてくれましたが、ふたりとも、私たちの耳のすぐそばで聞こえたことは自分で確かにわかっています。
部屋の外で生き物が鳴いているだけ。そう自分に言い聞かせて再び眠りにつこうとした瞬間、「チー!」すかさず私は、ぎゃ!と叫びました。
明らかに真上の天井から聞こえてきたのが分かりました。私は急いで部屋の電気を点けて、ガラリから声の主が顔を覗かせているのではないかと見つめましたがなにも見えません。
友人が手元の携帯で、ねずみやコウモリなど思いつく限りの鳴き声を検索して声の正体を調べ始めましたがどれも違うようです。
その瞬間、私はハッとしてYouTubeの検索欄に「やもり 鳴き声」と打ち込みました。
……「チーチー!」
ヒット!!なんと声の正体はやもりでした。
以前、南国のトカゲが大声で鳴くという衝撃動画を見た経験のある私は、恐怖から頭をフル回転しその知識を引き出すことができました。
そう、沖縄のやもりは鳴くのです……。やもりなら大丈夫。かわいいし。ようやく安心して眠ることができました。
YouTube [沖縄 やもりの鳴き声]
自然が多く、餌(虫)の豊かな沖縄はやもりの天国。害虫を食べてくれるので「ヤールー」と呼ばれお家の守り神として島民に大切にされています。
やもりがエアコンとなんの関係があるのか?
実はこの可愛らしいやもり、暖かいところが大好き。室外機の中に住みついてしまいます。
室外機の隙間から基盤に入り込み、ショートさせてしまうことがあります。
室外機からバン!と音がして運転が止まり、修理業者さんを呼ぶと「ヤモリが焦げている」という衝撃のケースが、沖縄ではよーくあるそうです。
本州のエアコンと沖縄のエアコンの違いNo.1…それはつまり、やもり対策!!
沖縄ではなんと、『やもりガード』というパーツが流通しているんです。
基盤にやもりが入らないように室外機の隙間を埋めることができます。
やもりガードの取付でやもりの侵入を未然に防ぐことはもちろん、各メーカーによって、やもりが基盤に侵入した際のショートを防ぐ措置もなされているようです。
基盤をボックスに収納したり絶縁シートで覆ったりと、やもりとの接触を防ぐ工夫がされています。
沖縄の電機屋さんには、やもり対策が施されたエアコンが売られているんですね。
もちろん、既存のエアコンを「やもり対策工事」することだってあります。
「やもりガード」を取り付けたり、基盤に樹脂コーティングをしてショート対策をしたり…
沖縄のエアコン屋さんの作業車内や腰道具の中身を覗いてみたいですね。やもりガードが入っているかも。
天然記念物のセマルハコガメが平気で歩いていました。
自然豊かな沖縄の特殊なエアコン事情。お楽しみいただけましたでしょうか?
次回は、また違う観点から沖縄のエアコンについてお話していきたいと思います。
南国気分をお楽しみください!
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