今日の現場は2階建てのアパートです!
長梯子を使って2階のお部屋のエアコン交換工事を行います。
ダークグレーの木目調とやわらかいアイボリーのコントラストが印象に残るオシャレな物件です。
ベランダはありませんが地上には広めの通路があります。
作業は既存のエアコンのポンプダウンと配管の撤去からスタートです!
せっせと移動して作業を進めます。
2階も部屋がずらっと並んでいます。
室内はこんな感じ。
ロフトがあるので寝室にするもよし、物置にするもよしと、スペースを有効活用できそうです。
こちらが既存のエアコンです。
実はこちらの現場…以前にもお伺いしたことがあります。
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茹だるような暑さの日、管理会社さまから一件のお問い合わせがありました。
「エアコンがつかない」というご相談でした。
さっそく現場調査に車を走らせます。刺さる陽射しをかろうじてサンバイザーが防いでくれています。
ピンポーン
工具を一杯に抱えながら不器用にチャイムを鳴らしました。脚立を抱える片腕からは汗が滴っています。
「こんにちは、ステージアです。エアコンの調査に参りました。」
しばらくしてガチャ、と扉が開きました。ドアの風圧とともに屋内から漏れた熱気に圧倒されながら、目の前に現れた大学生に見える若い女性のたどたどしい挨拶を受け私は入室しました。
私が調査をしていると、背中に強い視線を感じます。彼女が絶えず私の作業の様子を観察しているのです。
作業が進んで、話しかけようと振り返ったときです。
「あとどのくらいで治…」彼女が呟きました。
彼女も、同時に私が話し始めることを察したかのように、言葉を中断しました。
「交換工事が必要なので工事日程を決めましょう。3日後はご都合いかが…」
私は言葉が詰まったままそれ以上続けることができませんでした。
彼女の目にはいつの間にか涙が浮かび、小刻みな震えとともに口元が歪んでいくのに気づいたからです。
蝉の声がけたたましく響いているはずなのに、部屋の中は静寂そのものでした。
どれだけの時間、「静寂」が続いたでしょうか。息が詰まるような静寂を断ち切るために私が選んだ言葉は、こうでした。
「このエアコンはガス漏れをしているのでいずれまた抜けてしまうでしょうが、応急的にガスを入れておきましょうか。」
今にも溢れそうな大粒な涙が瞳に吸い込まれていくのが分かりました。
「はい」震える声で彼女がささやきました。
その頃はまだ感染症の流行期で、自宅でのリモートワーク・オンライン講義が多く行われていた時期でした。
あぁ、この方はどれだけの時間をこの部屋で地獄蒸しの野菜のように、抵抗する術もなく過ごしてきたのでしょうか。
結果的に更新工事はこの日の翌日に行うことにして、作業の間は同じように絶えず見つめられていたのですが、その表情はどこか軽やかでした。
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そんな夏の出来事を思い出しながらエアコンを取り外していきます。
きっとこのエアコンも何らかのストーリーを抱えているはずだし、
これから取り付けるエアコンも、入居者さまの人生を、ストーリーを見ていくのだと思います…
とにかく今日は、「真夏の昼間につかない」なんてことがないようにしっかりと施工を行っていきますよ。
電線の処理も丁寧に。
長梯子を使って外から配管を差し込みます。作業員の連携が必要です!
狭い場所でもクロスに傷を付けないよう細心の注意を払って据付け作業を行います。
接続部の保温もしっかり行います!
配管類を整えてカバーを被せていきます。
冷媒配管を接続する際は適度な遊びが必要ですが、隣の部屋の室外機が設置されてあって取り回しが窮屈です。
無事に接続できました!
ドレンホースは土に近いので虫等の侵入防止のためにおとめちゃんでの施工となっています。
新しい入居者さまが快適に過ごしてくださると嬉しいですね。
次に来るときも、トラブルでなく嬉しい工事(?)でありますように!
ステージアはみなさんの快適のために今日も駆け回ります!